SSブログ

第11話 やっぱり冷蔵庫のないホテルの部屋 [ロンドン]

周辺の建物と調和した石造りのホテルは予想通り5階建てぐらいだった。これでも築100年ぐらい経っているのかもしれない。車寄せなどはなく正面入口の前は歩道を挟んですぐ道路である。裏道なので車の通りは少ない。オックスフォードストリートから50メートル程度奥に入っただけなのだが静かでロケーションは合格点だった。正面入口に4、5段の階段がありそれを昇るとドアがありロビーというつくりだ。私たちは2個のスーツケースをもって階段を登りロビーにはいる。ロビーといっても都心にあるような一流ホテルのロビーを想像してもらっては困る。左手にチェックインカウンターあり、右手にソファーが2セットぐらいあるだけだ。正面はラウンジなのだろうが、バーと兼用なのだろう、席数は極端に少ない。とにかく全部あわせて20坪ぐらいのスペースしかない。アメリカンスタイルの巨大ホテルからすると驚くほどの狭さだが、ヨーロッパのホテルはこれがあたりまえなのだ。
フロントには英国人とは思えない発音の男性がいて応対してくれた。サービスも問題ない。チェックインは速やかに行なわれカードキーを手渡された。カウンターの横にいたポーター(といっても専門職ではないようで、職務はいろいろありそうな人だった。実際、彼がフロントをしているときもあった)にスーツケースを部屋まで運ばせますかときいてきたが、奥さんもひとつのスーツケースをひきずれば持てない量でもないのでお断りした。空港での両替のための買い物が無駄になるがコストセーブである。フロントの横を少し歩くとリフト(エレベーター)が1基あった。その横には階段もある。正面玄関から離れ外気のあまり流入しない場所になると、絨毯のにおいなのだろうか、ヨーロッパのホテル独特の香り、匂いがする。私たちの部屋は2階、日本式でいうと3階にあたるフロアにあった。リフトをおり案内表示に従い部屋を目指す。絨毯が敷きつめられているのでスーツケースのキャスターがうまく作動しない。私は面倒くさいので手で持って運ぶことにした。
部屋は予想したほど狭くはなかった。かなり腰の高いダブルベッドがひとつあり、壁際の長いデスクには小さなテレビも置かれていた。トイレとバスルームはもちろん一緒だがとても広い、日本のビジネスホテルのような息苦しさはない。部屋には窓が二つあったが、中庭というか裏庭をはさんだ向こう側に、別の建物が見えるだけ。その後方には建築中のビルのクレーンが見えていた。
DSC00061.JPG
景色はまったく期待していなかったのでこれで十分である。部屋をひととおりみて気づいたことがあった。やはり冷蔵庫がないのだ。飲み物は窓とカーテンの間において置くしかないだろう。西日も射さないし、朝晩はすでに冷える陽気だから冷蔵庫としてそのスペースが機能してくれるだろうと思った。冷蔵庫はないが奥さんがにんまりしている。理由をきけばこの部屋は喫煙可だというのだ。外に表示してあったという。奥さんにとって今回の英仏旅行最大の憂鬱は煙草が自由に吸えないということだった。特にロンドンではホテルはもちろんどこにいっても吸えないかもしれないと脅かしておいた。それでも成田空港出発前には免税店で私のパスポートもかりて2箱の煙草を購入していたが。日本を発つ前、どのガイドブックをみてもインターネットで調べてもそのように書かれていたが、現状の英仏より日本の方がよっぽど喫煙者には住みにくいというのが煙草を吸わない私の結論である。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。