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第44話 世界対応ドライヤーが一瞬でお釈迦 [コッツウオルズ]

ところで今回の旅行に備え奥さんは外国でも使用できるドライヤーを購入していた。外国仕様ではなく外国でも使えるというところが味噌だ。
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しかし、この味噌がとんだミスを招く結果となってしまったのである。ロンドンではホテルそなえつけのドライヤーを使用していた奥さん。さすがこのホテルにはドライヤーは装備されていなかったため、ヨドバシカメラで手にいれたドライヤーの海外デビューとあいなったわけである。バスタブがないためシャワーを浴び洗髪してでてきた奥さんは、これまたヨドバシカメラ発、世界各国どのコンセントにも対応できるという万能アダプターにドライヤーのコンセントを差し込み、スイッチをONにした。その瞬間「ボッ」という音とともにドライヤーは沈黙したのである。火柱こそ見えなかったがきっとショートしたのだろう。国内外対応機種のため、国内では100V側、海外では220V側にスイッチをあわせなければいけなかった。しかし奥さんは日本で使用していたときのままでスイッチをONにしたのである。ドライヤーは海外では全く稼動することなくゴミと化した。まあ、奥さんの髪が燃えなかっただけ幸いと思うべきだろうか。海外専用のドライヤーを購入していればこんなことにはならなかったのに。私は不要な紙をさがし、それにOUT OF ORDER と記してドライヤーに巻きつけ、さらにコードでぐるぐるまきにした。あと10日あまり、奥さんは洗髪後も乾かすことなく、朝起きたときのままティナターナーのような髪型でパリを闊歩するのだろうか。これから宿泊するホテルの各部屋にドライヤーが装備されていればいいのだが。二兎追うものは一兎をも得ず。先人はまことに偉い。
明け方、濡れた路面上を走るような車の音で目がさめた。カーテンの端を少しめくって外を見る。まだ夜中の雰囲気だが午前6時は過ぎていた。オレンジ色の街灯に照らされる道路は確かに濡れている。雨か。激しい降りではない。大半のイギリス人なら傘を使用することなく歩くであろう程度の雨である。しかし日本人なら絶対に傘を開く降りだ。今日は朝食後早々にチェックアウトし、ヒースロー空港に向かい、夕方の便でリヨンへ発つ。つまり移動日だ。しかし天候は良いにこしたことはない。慣れないマニュアル車を操り、知らない道を走らなければならないのだから。

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