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第67話 コートドール 黄金の丘に辿り着いたものの・・・・ [ニュイサンジョルジュ]

しばらく車を走らせると前方に料金所がみえてきた。安いとはいえ再び料金を払うのは癪である。私は料金所手前の出口から一般道へでることにした。ニュサンジョルジュ村の看板があったわけではない。右手に見えるコートドール=黄金の丘だけが頼り。あの丘に沿っていけば必ずや目的地に着くはずであるとの信念だけはあったのだ。
線路を跨ぐ陸橋をわたり車は丘のふもとにたどりついた。だがいまだにここがどこだかはわからない。とにかく丘の中腹にある集落に向かった。集落に向かう途中にある左右の家は、さきほどディジョン郊外にあった家々とは様子が異なる。1軒1軒が大きい。家自体も結構新しい。フランスの農家は新築の豪邸にすんでいるのだろうか。豪邸の連なる一画を通り抜けると道は緩やかな石畳の坂となった。途端に道幅もせまくなる。豪邸のある地域が新興住宅地だとしたら、こちらは旧市街といったところか。中世の雰囲気を醸しだす石造りの家々が隙間なく建っている。道には誰一人歩いていない。ここがなんという村なのかはわからないがブルゴーニュの村のひとつであることには違いない。
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村の人ならニュサンジョルジュの場所を的確に教えてくれるだろうと考え、私はホテルという看板を見つけその前に車を停めた。フロントにいってニュサンジョルジュの行き方を伝授してもらうよう再び奥さんに指令しようかと思ったのだがなんとホテル入口にはClose(クローズ)の小さな札が。夏場の繁忙期しか営業しないのかもしれない。収穫期のこの時期は観光客も見込めないからか、それとも副業としてホテルを営業しているだけで、収穫期は本業で忙しいので営業しないのか。いずれにしてもあては外れた。タイミングよく少し先に見える教会から鐘が聴こえてきた。のどかな光景である。ひとっこひとりいない村に鐘の音だけが響き渡る。するとその教会からひとりの女性がでてきた。マリア様、それとも天使?でもその女性は、ずんぐりし、度の強そうなメガネをかけたおばさんだった。

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