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第94話 日本人ツアー客同泊 [ヴェズレイ]

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部屋はそれほど広くはないが明るく綺麗だ。この程度の広さなら奥さんも落ち着いて眠れるだろう。西洋建築の特徴、縦長の窓から望む澄んだ青空と緑が眩しい。冷蔵庫は当然ないがバスタブはある。バスルームにも大きな窓があるが野鳥の囀る森の木々が見えるわけではない。眼下に広がる村が見えるわけでもない。隣接した従業員宿舎の窓がすぐそこにあった。ブラインドがなければ全てご覧いただけます状態だった。しばらく休憩の後サンマドレーヌ教会に向け参道をゆっくり散歩することにした。
退室しようとドア付近に行くとドアの外がやかましい。そして何やら聞き覚えのある騒音が。なんと関西弁を話す団体客のようである。サンマドレーヌ教会があるヴェズレイはキリスト教の三大巡礼地のひとつスペインにあるサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路として世界遺産に登録されているが、この雑音を発する集団が敬虔なキリスト教徒とも思えない。パリからオプショナルツアーでわけもわからずやってきたご一行様であろうか。しかし滞在中奥さんがこのご一行様の一人と、ホテルの外で一服中に遭遇し情報収集したところ、ジュネーブやパリなど欧州のロマン・ロランゆかりの地を訪ねるツアーご一行様だったとか。ノーベル賞作家ロマン・ロランが最期を迎えた地はここヴェズレイ。私たちより遥かに学術的な旅をしている方々だったようである。しかしながら集団となると静かなホテル内をヘルスセンターとでも思っているのか大声を発しながら移動するというところはいただけない。学問も大事だがまずマナーを学んで欲しいものである。
参道の両側には様々な店がならんでいた。江ノ島の参道のように土産物屋だけではない。この丘自体がひとつの集落なので、酒屋もあれば八百屋もレストランもあるのだ。ふとんやさんはなかった気がする。興味深い土産物屋もあったが帰路に寄ればよいかと教会へ向かう。
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途中ワインショップに立ち寄った。ブルゴーニュの聴きなれた地名畑名が記されたラベルのワインが店内には溢れていた。すると女性スタッフが試飲をできますよと声をかけてくれた。この東洋人、ラベルを見つめる眼光が鋭い、ただものではない、ワインジャーナリストではないか、と思ったのだろうか。今朝までニュイサンジョルジュにいたことなどを話しつつ何種類のワインを試飲させていただき、何も買わずに店をでた。それはそうだ日本に持ちかえるワインをわざわざこの地で買う必要もない。今夜のワインを手配する必要もない。フェブレイ社での試飲で余った高級ワインをペットボトルに詰め替えてこの地まで持ってきているのだから。
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