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第116話 ここがパリ?外は見事な日本庭園 [パリ]

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そこにはここはパリではなく京都かと錯覚させるような見事な日本庭園が広がっていたのである。今は動いていないが小さな滝もある。玉砂利が敷かれたスペースもある。苔の生えた岩まで配されている素晴らしい庭園だ。日本人スタッフによってパリから発信されるインターネットサイトでこの庭が紹介されたときベラールさんから知らせがきたので写真ではみたことがある。しかし実際に見てみると圧巻である。万博でもないのによくぞここまで創りあげたと。
何でも木や苔は日本から持ち込んだものも多く、パリの植木屋さんに頼んで造園してもらったそうである。以前にメイルでその光景を見たとき、莫大は費用がかかったのではと尋ねると、安くはなかったとの答えが返ってきたことを思いだした。日本の料亭でもここまでこらないかもしれない出来栄えである。夜はライトアップできるようになっているそうで、二階の最も奥に位置するベラール夫妻の寝室からもそれが一晩中眺められるよう大きな窓が設置されていた。
庭をしばしベラールさんの案内で歩いた後、室内に戻る。今日の長居は無用である。私たちは日本から持参した貢物(土産物)を差し出した。メインは京扇子。ロンドンのサトウ夫妻、ニュイサンジョルジュのフェブレイ夫妻への土産と同じものだ。もちろん細部はそれぞれ異なるが。奥さんの従兄弟が京都で竹細工の工房を経営しており高級京扇子の制作にも携わっているため、その関係筋を介して比較的廉価で購入できたのである。日本通のベラールさんはその価値がわかってくれるだろう。あとは画を描くことが好きなベラールさんの奥さんロレッタさんのために購入したもの。日本の色を紹介する本である。もちろん外国向けなので英語で記されている。外国の人は受け取るとすぐに開けてみると思っている人も多いだろうが、そこは日本贔屓のベラールさん、あり難く頂戴した後に、ロレッタさんが帰宅してからあけさせてもらうといった。その後三階の事務所スペースを見学。さらに、私たちがいるあいだじゅう泣きどおしだった姪っ子さんの飼い犬だという五月蝿い小型犬にガンを飛ばしつつワンフロア上から日本庭園を鑑賞。明日夕の訪問時間を確認してベラール邸を後にした。
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時計をみると間もなく6時になろうとしているが、陽はまだ沈みそうにない。大型書店や専門書を扱う小さな書店、そうした学術的な店の中に八百屋果物屋も並ぶパンテオン脇の小道をのんびり歩きホテルへ向かった。ホテル横のカフェの外に置かれた席は学生たちでほとんど埋まっていた。ここでコーヒーを飲み、一服し、それぞれのアパルトメントに戻って深夜まで復習予習をするのだろうか。私たちは睦美の訪問を待つため一旦部屋に戻った。

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