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第126話 ベラール邸でのディナー [パリ]


ダイニングテーブルを前にベラール夫妻、姪御さん、睦美、私と奥さんが座る。8人が一度に食事をしても問題ないほど大きなテーブルだが、すでに食器やグラスやパンがセットされている。中央部分だけ少し隙間があったがそこにはメインディッシュが置かれるのだろう。
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とりあえず泡(シャンパン)で乾杯、その後ベラールさんが抜栓し皆のグラスにそそがれたのはボルドーのシャトーランシュバージュだった。日本のレストランでオーダーすれば福澤さんが3人いないと安心して頼めない銘柄である。ベラールさんは私がかつてワインの輸入商社に勤めていたことを知っているので私が有無を言わせぬ代物を選択したのかもしれない。もっともこちらは何もここまでのクラスのワインでなくても不平をいう気などさらさらないが。メインディッシュは長方形の器に大きく鮮やかな海老やタコが盛られたムニエルだった。もちろんロレッタさんのお手製である。大きなテーブルも前菜やメインディッシュ、様々な器であっというまに埋まってしまった。しばらくするとベラールさんが私に見せたいものがあるのでついてきないさいと言う。エレベーターに乗りこむのでコンビニにでもつまみを買いにいくのかと思ったらエレベーターは1階を通り過ぎ地下に。おりて少し歩くとベラールさんがあるドアの前でとまり鍵をあける。地下にあるいくつかの部屋はこの建物の居住者がそれぞれ管理するスペースなのか。それとも地下もベラールさん所有で貴重品が入っているので鍵をつけているのかもしれない。灯りをつけるとそこは酒蔵、セラーだった。
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日本のレストランでもこれだけ保有しているところは少ないと思う。ボルドーワインを中心に、数々のシャンパンやブルゴーニュワインが棚で眠っていた。何でも気に入ったワインがあるとケース単位でオーダーしているそうだが、これをすべて飲み切るには連日パーティを催さなければならない。ベラールさんはその中から今日のラストはこれを開けようと手に取ったのでボルドーのシャトータルボ、これまた小売店で購入しても福澤さんおひとりさん、レストランならもうひとり以上は必要になるワインだった。
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皆が待つ上階のダイニングルームにワインを持ち帰り、あっという間に空にした後にリビングへ移動、記念写真などを撮りながらしばし談笑。地下のセラーとここを行ったり来たりしながら朝まで居座りたかったがそうはいかない。名残惜しいがお暇することにした。ベラール夫妻とは翌々日クラシックコンサートに行くことになっているので今夜でサヨウナラというわけではない。私たちは睦美をメトロの駅まで送りがてら徒歩でホテルのあるソルボンヌ広場に向かう。ホテル横のカフェはまだ営業しており、何かつまめる程度の余裕は胃袋にあったがおとなしく部屋に戻ることにした。

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