SSブログ

第136話 クラシックコンサート前に腹ごしらえ [パリ]

私たちは6時前にはホテル前の通りに立ち、ベラール夫妻の車が到着するのを待った。日は暮れかかっているのだがソルボンヌ広場はまだ学生たちで賑わっている。4人乗車するのだから、今回は今朝駐車場でみたミニクーパーの隣にあったベラールさん専用ワーゲン・パサートで登場かと思っていたら、パンテオン方面からやってきたのはさっきまで乗っていたゴールドのミニクーパー。助手席に座っていたロレッタさんがシートを倒して後部座席に移動。続いて私の奥さんも狭い後部座席に入り込む。4人乗るとさすがにシャコタンの車に乗ったような気がするが錯覚だろうか。
車はオルセー美術館を左手にみつつセーヌ川沿いに西へ進んだ。途中、橋を渡って対岸に。そしてホテルをでて15分ほどで、劇場近くに到着した。問題はまたしても駐車スペースの確保である。人の通りもないセーヌ川沿いとはいえ、シャンゼリゼ通りもそう遠くはないので道路の端は車でぎっしりと埋まっていた。それでも少し探しただけで空きスペースを発見。ミニなら十分停められる。パリ市内にでかけるにはミニが最適というベラールさんの言葉が思い出された。パサートを停めるとなったらまだまだ時間が必要だったに違いない。
車を停めてからセーヌ河畔をしばらく歩く。左手にはセーヌ川、その向こうには私の苦手な青いエッフェル塔がそびえている。やはりシックなブラウンの鉄骨が浮かび上がる従来のライティングの方がクラシカルで好きだ。EU誕生何周年記念かは知らないが、法隆寺の五重の塔を真っ赤なライトで照らすようで興ざめだ。鋭角に右折するとそこがシャンゼリゼ劇場のあるモンテーニュ通りだ。この辺りは超高級ブティックが並ぶパリ市内でも屈指の豪奢なところ。ロレッタさんはいつもこの辺りで服を買っているとベラールさんが言って笑う。私が言えばジョークであることは明白だが、ベラールさんが言い放つとあながちジョークとも思えない。
photo_huge_le_bar_des_theatres_75008.jpg
ベラールさんはシャンゼリゼ劇場の前のカフェ「バー・デ・テアトロ」を予約してくれていた。このレストランはフランス映画「モンテーニュ通りのカフェ」で主人公の女性がギャルソンとして働いていた店である(私たちは帰国後、パリが舞台ということでこの映画を観にいったのだが、スクリーンに映し出された「バー・デ・テアトロ」にお互い思わず「あそこだ」と声をあげてしまった)。私たちは赤いキャノピーの真下、前面ガラスで覆われた窓側のテーブルに案内された。店内にはそれほど大きくないにテーブルがぎっしりとならんでいるが全て埋まっている。大半がコンサート前に軽食をとるために入店してきた客なのだろう。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。