SSブログ

第151話 帰国 2週間ぶりの日本 [帰国]

DSC01646.JPG
帰国便も半年以上前に予約したおかげで、最後部に近い二人がけのシートを確保できていた。機体が尾翼に向かうにしたがい緩やかなカーブを描いているために、機体後方部の座席は窓側にも足を放り出すに十分なスペースが確保されている。しかし私たちの座席の後ろにいた乗客が窓側の空いたスペースに靴を脱いた足を伸ばしてきた。その男の靴下が異様に臭い。旅行中一度も履き替えていないのではないかと思えるぐらいの異臭である。私の非ではない。私は耐え切れず奥さんと席を替わってもらった。どんなに臭くても奥さんの睡魔を妨げることはなかったようである。帰国便では座席前に備えられた小さな画面で映画を観ることもなく、食事の時間にはおきて、あとはひたすら私も眠り続けた。空港からの帰路のことを考え、私は食事時間でのワイン等アルコールは控えたが、奥さんは往路同様食事のたびにスパークリングやらワインをオーダーしていた。別に悪臭から逃れるためではなかったと思う。飲みたいから飲んでいたに違いない。それになんといっても無料なのだから。
定刻にジャンボ機は成田空港に到着した。時間がかかるのではないかと思っていた入国審査も到着便が少ない時間帯だったのかスムースに通過。心配していたスーツケースも、杖の入った長細い段ボールもターンテーブルに載って私たちの目の前に出現。無事に受け取ることができた。税関で荷物のチェックをされることもなく、私たちは無事日本に入国、帰国できたのである。でも安心してはいけない。旅は家に無事に着いて初めて完結する。帰路の運転は、ヨーロッパ国内以上に神経を使わなければと私は気を引き締めた。
空港近くのホテルに車を置いてある私たちは、ホテルと空港を結ぶシャトルバスを待つことに。頻繁に行き来しているわけではないので、バスの到着まで30分近くある。成田と日本国内各地を結ぶ国内線のチェックインカウンターのそばで私たちは時間をつぶすことにした。そこがバス乗り場に最も近く、搭乗客がチェックインまでくつろげるチェアーがたくさんあったからである。私たちがしばし休息のための陣地を確保すると見覚えのあるオヤジが私たちの横に立った。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。