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第24話 半地下売却 [ロンドン]

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床面積からいったら日本ではかなり大きな家の部類に入るサトウ邸も、生活のためか何年か前に半地下部分だけを売却したとのこと。その売却金でキッチンの改装、二階へつながる階段の踊り場の先、中庭側にバスルームを新設したそうである。確かにキッチンは中庭側から差し込む日差しのせいもあるだろうが、以前よりかなり明るい。新装サトウ邸を見てもらいたかったのか、私が興味ありそうな表情をしたからだろうか、ご主人が食事前に邸内を案内してくれたのだが、33年前とは大きく変貌していた。半地下売却に伴いリビングのある1階から半地下へおりる階段は当然ない。その場所に板が打ち込まれているので、ここに階段があったとは誰も思わないだろう。私専用のトイレもバスルームも収納スペースに様変わりしていた。二階へつながる階段の踊り場の先には明るいバスルーム兼トイレが新設されている。このバスルーム2方が大きなガラスであるためかとにかく明るい。もちろん周囲の住居からは丸見えだが、ブラインドを下げれば問題ないだろう。こんなところで陽の差し込む時間に、ぬるーいお湯に半身浴でもしながら本でも読んでいたら極楽である。毎日続けていたら脳みそが溶け出すに違いない。まあ日本人の感覚からいわせてもらえれば、トイレは別の場所に造ってもらいたかった。私の家ではないので口をはさむことではないのだが。二階の私がかつて住んでいた部屋が、今はパトリシアさんの寝室。別の下宿人さん向けの小ぶりの部屋がご主人のポールの寝室となっているそうだ。奥さんの寝室の方が倍以上広いとは。ご主人が優しいのか、サトウ家の力関係を象徴しているのだろうか。カップルが生活していた3階にはサトウ家の長男が今は暮らしているそうだ。
リビングでご主人の用意してくれたスパークリングで乾杯。サトウ家の家族のことや、私たちの今後の予定などをしばし話した。また日本から持参した京扇子のお土産をおふたりに贈呈。奥さんの従兄弟が京都の有名な京扇子屋さんだったので、市場価格よりお安く入手できたが、それでも結構なお値段である。フランスで会う約束をしているあと二組のご夫婦にも、同じ扇子を容易しているのだが、サトウ夫妻を含め、皆さん日本に興味のある方々なので、その美しさ、価値は理解してくれるに違いないと信じて持ってきたのだが。サトウご夫妻も大変喜んでくれたのでほっとした。もちろんもらったものを「何、これ」みたいに扱う人はいないだろうが。すると今度は奥さんから私たちにプレゼントが渡された。日本のお店ではありえないように雑に包装された小ぶりの箱がふたつ。私たちがきっと何かプレゼントをもってくるだろうと予測して、そのお返しを用意していたそうだ。その雑な包装紙を乱暴に破くと、かなり丈夫そうな箱が出現。青いふたを開けると中にはマグカップが入っていた。かつての冬のロンドンの光景が描かれたスポールの夫婦マグカップだった。別に夫婦ではないかもしれないが。荷物になるかもしれないがいっていたが、これだけしっかりした箱に収められていれば、スーツケースに入れて持ち歩いても中身が損傷することはないだろう。

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