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第41話 静かな静かなボートンオンザウオター [コッツウオルズ]

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昼少し前に目的地ボートンオンザウオターに到着。通りの右手に土産店らしき店がならび、左手には穏やかなウインドラッシュ川が流れている。川といってもテムズ川のような川ではない。幅は5,6メートル。子供が水遊びできるほどの浅さである。ここを訪れる前に見た写真ではそこを鴨がゆったりと行き来しているはずだ。その川の両側には公園と遊歩道がある。通りを150メートルもいけばダウンタウンを外れ住宅地に入ってしまう小さな小さな村である。
今日の宿泊先ダイヤルハウスは通りを少し奥に入った場所にあった。時代を何世紀も遡ったようなおとぎ話にでてきそうな外観を持つホテルである。それもそのはず築300年を経ているホテルなのだ。ホテル横の駐車場に車を停めると、奥の方から日本語らしきことばがきこえてくる。それも関西弁だ。泊りがけできたのだろうか。それともちゃっかり駐車場だけ拝借したのだろうか。宿泊したならもう少し早い時間にホテルをチェックアウトして、コッツウオルズの他の村へいくはずである。今頃車を出そうとしているということは、別の場所に宿泊して、今日の最初の訪問先としてボートンオンザウオーターに立ち寄ったというところか。つまり図々しい後者の連中に違いない。同じ日本人として恥ずかしい。もっとも確認したわけではなく、言葉のアクセントから私が勝手に解釈しただけだが。
スーツケースは2個トランクに積んであるが、ここで降ろして部屋に持ち込むのはひとつだけ。そのひとつで用が足りるよう、中身はちゃんとわけていれてある。駐車場は舗装されておらず砂利が敷きつめられているだけなので重たいスーツケースを引きずることもできず、手でしっかりと持ってフロントへ向かった。このホテルはレストランも有名で、宿泊者だけでなく村や近隣住人も食事を楽しみに訪れるという。食事にきたひとは正面の入口から入るが、宿泊者は裏手の勝手口のような小さな扉から入館することになる。もちろん都内のホテルのように、また箱根辺りにあるオーベルジュのようにドアマンなどは配されていない。ゲスト自らでドアを開けるのだ。
ドアをあけるとすぐ左手に小さなデスクがあった。オフィスにある事務机サイズだ。その向こうにF1レーサー、ルイスハミルトンのような青年が座って私たちを迎えてくれた。名前を告げ、メイルでうけとっていた予約確認書を渡す。青年はデスク脇のパソコンを操作し予約確認書に間違いがないことを確認した。そしてまだ部屋の用意ができていないと申しわけなさそうにいう。当然だ。まだお昼。午前中チェックアウトを終えたばかりの人もいるだろう。部屋の掃除やベッドメーキングだってできているはずがない。それは問題ないけどこのスーツケースを預かってもらいたいと私はハミルトンに告げた。ハミルトン青年は笑顔で快諾してくれた。

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