SSブログ

第58話 二階バスに乗ってリヨン市街を巡る [リヨン]

ホテルの前のべルクール広場は犬の散歩をする人や、通勤のためか地下鉄の出入口に向かう人、そこから出てくる人が見うけられた。縦横200m x 300mの広い平坦な長方形の広場の中央にはルイ14世の騎馬像がある。どこか日本にとって近くてとっても遠い国、北朝鮮のニュース映像に映し出される広場に似ているような気がした。あちらの方がもっとだだっ広いのだろうが。広場からは昨夜フランソワに連れて行ってもらったフルヴィエールの丘、そこに建つ大聖堂も見ることができる。
私たちは夜ではなく昼間のリヨンの街も見渡してみたいと思い、再度フルヴィエールの丘に行くことにした。乗り降り自由で市内観光地を周遊しているバスのチケットを広場の脇で購入。バスの到着を待った。
DSC00531ss.jpg
待つ間、アメリカから来たというご婦人に話しかけられ、どこそこへは必ず行きなさいと押し売りされる。何でも前日もこのバスを利用したらしい。何日かかけてリヨンを制覇するつもりなのだろうか。バスは都内や日本の観光地にも走っている二階建ての屋根なしバス。快晴ではなかったがオープンエア―は気持ちがいい。途中今も実際に使用されているという古代ローマ劇場を通る。離れた席に座っていた先ほどのご婦人はそこで下車。私たちにも見学を勧めたがこちらは彼女と異なり観光できるのは今日だけ、時間に余裕がないのでお断りした。フルヴィエールの丘から眺める日中のリヨンもまた美しかった。街全体が同じレンガ色の屋根で統一されているようで目に優しい。旧市街の間を流れるソーヌ川、さらにその先ローヌ川の向こう側の新市街に建つ高層の鉛筆ビルはひときわ目立つが、色調が同系色のためか違和感がさほどない。1年経ったら街の姿が変貌する東京とは全く異なり、リヨンに限らず厳しい規制の下、昔の街並みを維持している西洋の都市は本当に美しい。丘の上に建つノートルダム大聖堂に入り世界平和を祈願した後、私たちはふたたび周遊バスを待った。
DSC00495.JPG
周遊バスは観光客向けだけあって、ソーヌ川をわたりシャッターチャンスを提供するとともに、だまし絵の描かれたビルなど観光客が喜びそうなスポットを経由してくれる。バスの各座席にはイヤホンがセットされており、バスの走る場所に応じて日本語でも観光案内を聴くことができるのだ。走行中、八百屋、といっても日本と違ってモダンな雰囲気だったが、その店先で果物を万引きする少年を目撃。少年のそばには歩行者も何人かいて彼らも気づいていたようだが誰も彼を追いかけることはなかった。バスの中から私が「万引き―」と叫んでもみてもフランス人には理解できないだろうし、私たちの乗るバスは一瞬でその場を通りすぎてしまったので旅の思い出としてとどめることにした。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:旅行

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。