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第85話 いざ真昼のニュサンジョルジュ商店街へ [ニュイサンジョルジュ]

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ゆったりとした朝食を満喫した後、私たちはニュイサンジョルジュ銀座を散策に出かけた。昨夜訪れたレストランのある商店街である。昨日同様、VIPアパルトメントの近くで通行人に出くわすことはなかったが、各店がオープンした直後の商店街にはすでに買い物客がいた。今朝アンさんが購入したパン屋さんの店内は昼食、あるいは今夜のパンを求める客で賑わっている。何を買うでもなくショーウインドウを覗き込みながら石畳の商店街を歩き続けると婦人向け洋服屋さんの前の街路樹にリードを結ばれ、シェパードがおとなしく座って店内の様子を伺っている。ご主人様が買い物を終えて帰ってくるのを待っているのだろう。商店街の中ごろには小さな教会もあった。その前のちょっとした広場には水のみ場が。人のためか、犬のためか。時計の針の進むスピードが日本とはまったく異なる世界に私たちは今いるのだ。すると教会の鐘の音が商店街に響きわたる。腕時計に目をやると正午だ。商店街の買い物客にお昼を告げる鐘なのだろうか。
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商店街を抜けきるとそこはニュイサンジョルジュ駅だった。日に何本の列車が通るのかはわからない。レンタカーを利用しなければ、リヨンからここまで各駅停車を利用しなくていけなかったのか。もしくは昨日車で迷い込んだディジョンまでまずTGVか特急列車に乗って行き、普通列車に乗り換えて少し戻ってくるのだろうか。いずれにしても大きなスーツケース2個を引きずって、乗り換えありの列車の旅はしんどそうである。
商店街をとりあえず制覇した私たちはUターンして今歩いてきた道を戻ることにした。途中わき道にそれると大きなワインショップがあった。私はセギノールまではいかずとも、ブルゴーニュにきた記念に、自分へのお土産として気に入ったソムリエナイフが見つかったら買おうと決めていた。店内に入ると入り口付近には木箱に無造作に積み置かれた廉価版のワイン。店内の壁際のセラーには高級ワインが配されている。店のスタッフがいるにはいるが、「へいいらっしゃい。どんなワインをお探しで。これなんてお買い得でっせ」などとすりよってこない。入店したときにボンジュールと声をかけられただけで、一定の距離をおいて私たちを観察しているようである。ワインの産地として名の知れたでニュイサンジョルジュだから日本人の来店も少なからずいるはず。日本人受けしようと思って「シャチョウサン」と声をかけてこないところも真剣に商売をしているようで好感がもてる。
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壁際にならぶ畑名のついた高級ワインは日本の価格と比べて驚くほど安いというわけでもなかった。予想以上に価格差がない。フランス国内でも値上がりしているということなのか。来店客の大半が観光客なので、高めの価格設定をしているのだろうか。だいたい高級レストランで食事をするときをのぞいて、一般的なフランス人が高級ワインを躊躇なく購入し、抜栓しているとは思えない。ソムリエナイフもいくつかおいてあったが、ロフトや東急ハンズあたりで見かけるものと変わらずインパクトがない。私はソムリエ世界一になった田崎真也とかつて一緒に仕事をしていたことがあると店主に自慢することもなく店をあとにした。

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