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第104話 早朝のドーヴィルへ クローズだったお目当ての店 [オンフルール]

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翌朝、港をでる漁船のエンジン音で目が覚めた。腹痛もない吐き気もない、生ガキにあたることはなかったようだ。奥さんも同様である。階下のレストランで朝食を済ませた後にチェックアウト。今日は最終目的地パリまで、200km強のドライブである。無事に到着すれば2日で700km弱走破したことになる。リヨンで車を借りてからの総走行距離は1000kmを超える。パリに到着したら車を返却、その後は市内を網羅するメトロがあるし、以前オンフルールに連れてきてくれたパリに住む知人の車でも移動することになるだろうし、ハンドルを握ることはないはずだ。とにかくパリに無事到着することが今日の最大任務である。
パリに向かう高速に乗る前に、私たちは避暑地ド―ヴィルに立ち寄ることにした。夏場はパリのブランドショップの大半が店を開くほどセレブで賑わう避暑地だが、この時期は閑散としているに違いない。目的はド―ヴィルにあるモデルカーショップを訪れること。その店はモデルカーを販売するばかりでなくジオラマとセットになった車も販売しているのだ。我が息子もジオラマ製作とモデルカーの改造を趣味としているので、彼への土産購入と、西洋人のジオラマ腕前をみてみたかったのだ。その店は年間を通して営業していることは確認済みで、その場所も把握している。その店の開店時間までは時間があったので、車をパーキングに入れ、早朝のド―ヴィルの街を散策することにした。
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まだ日常が動き出した直後ということもあり、大半の商店は閉まっている。訪れた街では必ず訪れるおもちゃ屋ももちろん営業前だったが、ショーウインドウには私たちを歓迎するように思い思いのポーズで外を眺めるぬいぐるみたちがいた。お店とはいえないが不動産屋は店内に明かりがついていてスタッフがすでに業務を開始している様子。さすが避暑地、電話で高級物件を買い求める顧客への営業をかけるのだろう。パン屋さんもあいていてむきだしのバゲットを小脇にかかえて歩く出勤途中と思われる女性もいる。フランスのパン屋さんはどこも朝が早い。9時開店が常の日本のパン屋さんとは大きく異なる。朝食でパンを食べる人の絶対数にフランスと日本では大差があるだろうだから当然かもしれないが。これまた文化の違いである。
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人通りもまばらなド―ヴィル中心街の散策を終えモデルカーショップに向かう。ところがまだ営業している気配がない。店の内部の電気もついていない。つぶれたわけではあるまい、日本を出発する前にもこの店のホームページを見ていまだ健在、営業していることを確認している。だがなんとその日は臨時休業日だった。なぜだ、はるばる海の向こうからきたのに。入口のドアを叩いても誰もでてきてはくれないだろう。ガラスだから何かぶつけて割って店内に入れば、ジオラマとモデルカーの写真を撮ることぐらいはできただろうが、それは犯罪だ。諦めるしかなかった。私たちはヴェズレイの絶景で運を使い果たしてしまったのだろうか。肩をおとしてパーキングに戻り、一路パリを目指すことにした。

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