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第99話 ヴェズレイからオンフルールへ 無事走破できるのか [オンフルール]

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午前8時だというのにレストランの窓から見える空はようやく青みがかってきているなと感じるほどの明るさでしかない。でも雨天ではなさそうだ。雨の振る中を知らない道を走ることは避けたい。私たち個人客と団体客では朝食をとるレストランが異なる。団体客の騒々しさから隔離しようという宿の気配りはありがたい。ビュッフェ式の朝食を早々に終えて私たちはチェックアウトをした。
定刻どおり午前9時の旅立ちである。高速道路までは昨日通ってきた道を戻ればいい。高速に乗ったらひたすらパリ方向に向けてひた走るのみ。パリに近づいたら本線を左にそれて別の高速に乗らなければならない。ここが難関だった。右手遠方にパリ市街を見ながらしばらく走りパリ市外北西部でノルマンディーに向かう高速に乗る。200キロぐらい一直線に同じ高速を走ったらあとはルアーブル方面に向かうべく右折するジャンクションを間違わなければいいだけ。書けば容易いが実際はそうそう順調にいくものではなかった。
まずパリ市街地を避けるべく左方面に向かう高速に移動したのはよかったのだが、どうもそれが少し早すぎたらしい。ボルドー方面、フランス西部に行ってしまう高速だったのだ。私たちが目指すオンフルールはフランス北部である。徐々に目的地から遠ざかっていくことを私の頭の中のナビが察知した。このまま進んでもどこかで右方向に向かえば北に向かう高速に乗ることができるかもしれない。とりあえず高速を下りて車を停め地図を広げた。地図といっても県別市別になった詳細道路地図ではない。日本でいるなら東日本道路地図みたいな広げれば新聞紙1枚分ぐらいの大きな地図だ。フランス国土の半分が新聞紙1枚程度の大きさの中に表されたこの道路地図で、見知らぬ国を走ろうというのだから無謀といわれても仕方ない。今まで走っていた高速道路番号から現在地を推測する。このまま直進してもいずれは北に向かう高速につながるが時間的に大きなロス。暗くなったらお手上げである。
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私は今きた道を引き返し、岐路となった地点で左方向へ、つまり北に向うことにした。
二度目のチャレンジは成功し、セーヌ川に沿うようにオペルは高速道路を疾走した。周囲の景色も微妙に変化するし、片側3車線の道路は走っていても気持ちが良い。最後の難関もルアーブル方向への帰路も無事クリア。オンフルールに向かう最短地点で高速を降りることもできた。
小さな港町オンフルールに到着した頃は、弱い雨が降っていた。とりあえず途中ロスはあったものの暗くなる前に目的地に到着できたことを神に感謝した。

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第98話 夜は質素にチーズとパンとテイスティングの残りのワイン [ヴェズレイ]

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地元有志たちの練習のようではあったが、幸運にも寺院内で賛美歌を聴くこともできた。夕食前に教会を訪れていた観光客たちも皆静かに教会内で幾重にも反響する不思議なサウンドに聴き入っている。厳か、荘重、神聖、日常生活ではそうは簡単には遭遇しない雰囲気を体感した私たちは、ディナーのためホテルに戻ることにした。
今宵も昨夜同様に部屋食である。食材はいたって簡素。明日はオンフルールで魚介料理を楽しみ、パリに入れば連日お祭り騒ぎだろうから、ここ2日の部屋食は胃腸にとってもありがたい中休みなのである。フェブレイさんのVIPアパルトメントのダイニングテーブルの大きさには遠く及ばないがホテルの部屋のテーブルだか、そこに並ぶワインは昨夜と一緒で豪華だ。ただ器はガラスのボトルではなく、ラベルもないペットボトルに変化していたが。昨夜飲み切れなかったワインを空のペットボトルに詰め替えてこの地までもってきたのだ。3種類のワインの残りモノだが、総量はボトル1本分以上にはなっていただろう。
明日はこの旅の最大の難関ともいえるヴェズレイからオンフルールまで500キロ以上におよぶロングドライブである。食べるカーナビは存在しても本物のカーナビは当然ない。いつも隣に座る奥さんは寝ているだけなのでナビにはならない。私の手元にあるのは東日本道路全図のようなフランス国土の半分が新聞紙大の紙1枚に記されている道路地図だけである。インターチェンジの詳細もわからない。高速道路がどのように一般道につながっているのかも判別できない。最大の難所はパリ市内の迂回路だ。そこを間違ってしまうと時間的にもロスになるし、あらぬ方向に行ってしまう可能性もある。頼りは私の方向感覚と勘しかない。大半は高速道路だし、130キロで走り続ければ、途中休憩しても9時出発で3時にはチェックインできるはずだ。今夜は高速道路の番号を記憶するなど経路の予習をして早寝するしかない。明日の晩は潮風を頬に感じながら獲れたての生牡蠣を食べることができるのだろうか。不安と期待の移動日である。
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