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第101話 夕刻の港でレストラン探し [オンフルール]

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およそ100メートル四方の小さな湾内には漁船ではなく色とりどりのヨットやクルーザーが停泊している。一方湾に面した陸地にはレストランぎっしりと並ぶ。5時半すぎだがほとんどの店はまだ開店前で、店の外にテーブルや椅子が積み上げられた状態の店もある。雨はほとんどあがっていたが、空模様をみながら今夜は店の外にもテーブルを並べるかどうか検討中というところだろうか。日本なら5時半過ぎには大半の店は営業開始しており、6時に入店したのでは待たされることだってあるだろうが、さすがフランス、食事は早くても7時半スタートということからして、スタッフはまだ昼休み感覚なのかもしれない。私たちは死にたて、もしくは仮死状態の新鮮な魚介類を提供してくれそうな店を物色した。
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湾の出入口には常設ではないメリーゴーラウンドが設置され、イルミネーションを点滅させつつ、大音量で乗りのいいミュージックを流していた。毎日行われているわけではなくこの週末だけの特別イベントだそうで、普段はもっと静かだそうである。確かに数年前に訪れたときには、人は今日より多かったが、こんなに騒がしい街ではなかった気がする。特別イベントの日だからか湾の一角では露店がでていて観光客で賑わっていた。露店では地元特産カマンベールをはじめ様々なチーズも販売されていたが、さすがに日本までは持ち帰れない。私たちはそこで土産用に小さな缶入りビスケットをいくつか購入した。オンフルールの港のスケッチが描かれた缶が気に入ったのだが、日本同様に中身のビスケットは同一で、フランス各地で缶だけを変えて売られている代物なのかもしれない。
営業はしていないものの、すでにメニューを外にだしている店があったので私たちは立ち止まりメニューを吟味した。値段もそれほど高くはない。サンセールでもミュスカデでも、ギンギンに冷えた白ワインをオーダーしたとしても100ユーロ前後でおさまる値段だった。パリに行けば知人宅での会食や、知人との外食だろうから、出費はそれほどないと見込んでいた私は、オンフルールでは少しばかり贅沢してもいいと考えていたので100ユーロなら全く問題ない。

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第100話 意外な掘り出し物 ブーダン美術館 [オンフルール]

今宵の宿泊ホテルの場所は記憶している。港沿いに少し走るとホームページで見たホテルの外観が目に入った。ホテルの正面玄関、といっても帝国ホテルやオークラを想像してもらっては困る。民家の玄関と変わらぬほどの間口しかない小さな入口の前に車をとめフロントで駐車場の場所を確認する。ホテルから少し離れているが徒歩で2.3分とかからない湾沿いに駐車場はあった。ヴェズレイ同様ホテル専用ではない。観光客も利用する公営の駐車場。専用の機械でチケットを購入し半券をフロントガラス越しに見やすい車内に置きホテルに戻った。
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寝床は角部屋で港もみえるし湾沿いに広がる街の景色もみえる。とても明るくて気持ちがいい。雨も小降りになったので私たちは街の散策にでかけることにした。奥さんはオンフルールを訪れるのは初めてだが、私は数年前にこの地にきたことがある。仕事でパリを訪れたとき、週末に現地の社長夫妻が連れてきてくれたのだ。その時の宿泊地はここから車で30分程度の場所にあるド―ヴィルというと街。競馬場も有名だし夏は避暑地としてとても賑わう、映画“男と女”の舞台となった地でもある。そこに向かう途中、このオンフルールで昼食をとったのだ。港町とはいっても港町ブルースにでてくるような日本の漁港と大きく違なる華やかな漁港だなと感じたことを覚えている。当時は昼食だけ、レストランしか訪れていないので街の様子はまったくわからない。ガイドブックでえた知識を参考に私たちはまずブーダン美術館を訪れることにした。
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テートギャラリーやナショナルギャラリーの数百分の一の規模の小さな建物だが、展示品のみならず美術館内の窓からは遠くルアーブル大橋も見ることができとても魅力的な美術館だった。何より空いているのがいい。明日もまたきてみようかと思っても私たちには時間がない。明朝にはここを去るのだから。それまでに小さなオンフルールの街を征服しなくてはならないのだ。早々に美術館を後にして、港から少し離れた街の中を歩くことにした。
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